Outland ethnologies

HOKKAIDO WITH & LIJIANG WITH/OUT

The experiments presented here, Hokkaido With and Lijiang With/Out are, if you will believe it, connected. Think of them as an evolution of inquiries into an artist’s presence or absence in an unfamiliar place, built on both doubt and confidence, both a lack and a surfeit of context. Both projects put pressure on artists by putting them in difficult situations, but by working directly with these problems, the projects and the artists open up new possibilities in their unusual approaches.

Thang Mo by Ngoc Dai [Vietnam]

「Thang Mo」は、ベトナム国内で政治風刺や過激な性的表現による歌詞が原因で販売中止となった問題作です。ベトナム北部の伝統民謡を想起させるダイ氏の歌声とシャンソンをベースに繰り広げられる本作は、2017年のTPAM(国際舞台芸術ミーティング-横浜)で初めて披露されました。本作は、TPAMでダイ氏が歌った曲目を中心に構成しており、ミキシングやレコーディングには、ベトナムの舞台芸術界で圧倒的な支持を得ている音楽ディレクター、ニャット・リー氏が務めています。リー氏による繊細なミキシング処理も本作の聞きどころの一つといえるでしょう。

Lonely Lodger by Li Jianhong [CHINA]

Li Jianhongは、中国大陸の即興音楽や実験音楽のシーン最初期より活動してきた音楽家です。同時に、キュレーターとしても実験音楽のイベントやフェスティバルを数多く手がけてきました。本作の『Lonely Lodger』では、環境音と即興演奏による音の融合を目指した「Environmental Improvisation」という録音/演奏手法に基づいて、自身が雲南省の麗江に滞在してレコーディングした音素材を使い制作したものです。